新・日本紀行(26)知多 「知多のコウナゴ」
伊勢湾口の波に洗われる「羽豆岬灯台」
羽豆岬周辺の海岸線は、伊勢湾口の海上権をおさえる拠点として古代より政治的・軍略的・経済的に海運交通を統制・監視する上において地理的に重要な位置を占めていた。
そんな城は、灯火の役目も担っていたのかもしれない。
しかし現在、この地に灯台が無いのは些か不思議な気がするが・・?、気がつくと岬の先端から伸びる小島の上にチョッと地味な灯台が立っていた。
現在、城跡を示すものはの石碑の他は何もない。
先ほどのペットのおじさんに一言礼を云って、羽豆岬を後にした。
知多半島の西部海岸道は伊勢湾を見ながら実に温和で良い、この海岸近郊地域は海の楽しみもも多そうである。
内海の千鳥ケ浜は、東海随一とも呼ばれる砂の美しい海水浴場で、海水浴シーズンには名古屋方面から100万人の観光客が訪れるという。
又、温泉も在る、南知多温泉郷といって内海、山海、豊浜地区の総称をいう。
天然温泉は地下1300mに眠る化石温泉で近年掘り当てたもので、薄茶色のナトリウム・カルシウム塩化物強塩泉で切り傷、火傷、慢性皮膚病等に良いとされる。
道中、天然温泉「白浜の湯」の日帰り温泉ランドが目についたが、入館1200円とチョッとお高いので遠慮した。
知多のコウナゴと佃煮
道々、「こうなご」の看板が目に付いた・・、
「小さな女の子」と書いて、関東地区同様、小女子(こうなご)と呼ぶようだ。
この伊勢湾も特産地の一つで今頃(5月~6月)が旬、獲りたてで乾燥したものを、これまた東海地方(愛知・岐阜・三重)で代表的な醤油の一種である「たまり醤油」(少量の小麦を加えるか、又は大豆のみで製造する、そのため他の醤油に比べ、うまみ成分が多く、味がまろやかで濃いといわれる)で調理し、「つくだ煮風」にして食すのが絶品らしい。
小女子(こうなご)は「イカナゴ」のことで、小さいものを小女子と称しているようで、成魚のイカナゴを大女子(おおなご)と字をあてる地方もあるとか。
名前の由来は「いかなる魚の子なりや」と問うに、何の魚の子か判らなかったことから「イカナるコか・・」が、イカナゴと呼ばれるようになったという俗説がある。
瀬戸内海の明石海峡あたりが本場らしいが、地形や汐の干満、風によって発生する潮目のところに多く産するという。潮目にはイカナゴを含めて様々な魚が集まるり、エサとなるプランクトンが豊富であることから。
因みに、似たような小魚に「ちりめんじゃこ」というのもある。 こちらはイワシの稚魚で、良く見ると頭の形が違うらしい。
次回は、野間・「縁と因縁の地」
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